2021.01.29
【瓦編】屋根の種類を徹底比較!価格は?耐用年数は?おすすめは?屋根のプロが解説いたします
皆さまこんにちは、岐阜県岐阜市・各務原市・山県市・本巣市の屋根リフォーム&雨漏り専門店の日本いぶし瓦です!
年末からショールームのアップデート計画を進めており、年明け早々大工の大橋さんが工事に取り掛かってくれました。実はもうこの写真からかなり進んでいるのですが、それは完成までのお楽しみ!
さて、前回屋根材の種類と特徴のお話をさせて頂きましたが、今回からは更に細かくご説明して参りますね。まず初めのテーマはやっぱり「瓦」!それではどうぞ。
私たちが瓦と呼ぶ時は、土からつくられた粘土瓦を指します。焼き物なのでとても丈夫で文句なしの耐久性。瓦自体なら50年60年、それ以上に長持ちする屋根材です(※立地など、周辺環境にも左右されますが)。
今はもう辞めておりますが、日本いぶし瓦ももともとは瓦を焼いていた窯元です。様々な新しい屋根材が登場してもなお私たちが瓦をおすすめできるのは、100年瓦を見てきたからこそです。
1. 瓦の種類
形は大きく分けて昔ながらの和瓦と洋瓦があります。それぞれ「和形(わがた)やJ形(じぇいがた)」「平板(へいばん)」と呼んだりもします。
和瓦
伝統的な日本の瓦の形です。瓦を焼く際に燻したものが日本瓦(銀いぶし瓦やいぶし瓦とも呼ばれます)で、釉薬で色付けされたものが釉薬瓦です。
日本瓦 | 和形 釉薬瓦 |
日本瓦はこの色だけですが、釉薬瓦は銀・黒・茶といったベーシックな色はもちろん、青・赤・黄色・緑・ピンクなどもあります。そして釉薬瓦の方がつるっとしていますね。とても滑りやすいので点検で上らせて頂く時はヒヤっとすることもあります。
洋瓦(平板瓦)
明治時代以降に日本に入ってきた外国の瓦を取り入れたのが洋瓦です。大きく分けてF形・M形・S形の3つがあります。色をつけない素焼きもありますが、和形と同じように釉薬で色をつけた物がほとんどです。また和瓦よりもさらに色が豊富です。
まずはフレンチ瓦という瓦が発展して生まれたF形。①も②もF形ですが、②の方が近年登場したフルフラットタイプです。ガルバリウム鋼板の屋根が流行した要因のひとつは、あのすっきりとしてスタイリッシュな印象になることですが、実は瓦でもこのような屋根にすることができます◎注文住宅でもご依頼の多い瓦です。
F形① | F形② |
S形はスパニッシュ瓦を発展させたもので、M形はS瓦から派生し瓦1枚に山が2つある見た目からM形と呼ばれるようになりました。どちらも可愛らしい雰囲気のカフェなどでよく使われていますが、特にM形は銀や黒を選ばれますと和風のお家にもよく合いますよ。
S形 | M形 |
2. 災害に強い防災瓦
近年の自然災害で屋根から滑り落ちたり飛散したりする光景をよく目にしますが、大きな被害を受けているお家は旧工法であったり、古い屋根材であったりすることがほとんどです。今は新工法と防災瓦と呼ばれる瓦が主流となっており、とても災害に強くなっています。
そのひとつが防災瓦のロック構造。並べた瓦同士をしっかりかみ合わせてロックするので、地震の揺れや台風の強風にも動じない屋根ができます。
(株式会社鶴弥様 https://www.try110.com/product/kawara/type1/performance.html)
日本いぶし瓦のショールームには、こちらのロック機能が引っ張って体験できる模型がございます。どれだけ頑丈かがわかりますので、お店で引っ張ってみて下さい!
3. 瓦の価格
こちらは新築時の屋根材+材料の標準価格表です。
この表は2階建て・屋根形状は切妻4~5寸勾配・100㎡以上・標準的な仕様…と様々な条件があり、またこの他にも副資材があったりするのであくまでも参考程度に見て頂けたらと思います。
日本瓦 | 約14,000円/㎡ |
和形 釉薬瓦 | 約12,000円/㎡ |
洋瓦 S形 | 約11,000円/㎡ |
ROOGA 雅・鉄平 | 約11,000円/㎡ |
セネター(石付き板金) | 約9,000円/㎡ |
洋瓦 F形・M形 | 約8,000~9,000円/㎡ |
スレート | 約6,000~8,000円/㎡ |
アスファルトシングル | 約6,000円/㎡ |
一番高額なのは日本瓦ですが、その分一生物です。和形の釉薬瓦は日本瓦よりお値打ちで、和形がいいけれど特に日本瓦にこだわらないわ、という方から多く選ばれています。洋瓦はS形が高く、F形とM形は同じくらいの価格です。
4. メンテナンス方法
大きくわけて一部分だけ直す修理と、まるごとリフォームをする葺き替え工事があります。
①差し替え工事 5,000円~/1箇所
瓦は1枚から差し替えが可能です。もし何かが飛んできて割れてしまった場合でも、部分修理で対応できます。
②漆喰(しっくい)工事 棟下の漆喰:2,000円~/m 鬼巻漆喰:3,000円~/箇所
訪問販売の業者が「お宅の屋根、しっくいが落ちていますよ」と訪ねてきたことはないでしょうか。ある程度年数が経つと漆喰は劣化して剥がれてくることがあります。緊急性は高くありませんが、放っておくと雨漏りに繋がってくることがありますので、まずは点検することをおすすめします。
③棟の積み直し工事 15,000円~/m
地震や台風で最も被害を受ける箇所の1つが屋根の一番高い所である棟です。
旧工法はしっかり土台に固定されているわけではないので、築年数が経過していると棟が蛇行してきたり一番上の瓦が外れていることがよくあります。その状態で放っておくと、雨漏りや災害時に崩れたり飛散する恐れがありますので棟を積み直す工事をした方が良いでしょう。
④葺き替え工事 139.8万円~(※屋根面積80㎡まで)
耐震性を高めたり、軽量化するには葺き替え工事がおすすめです。瓦をしっかり固定でき、旧工法で使われていた葺き土を撤去することによりかなり屋根が軽くなります。
また雨漏りが深刻な場合は下地から新しくすることもあります。まだ20年30年と長く住まわれる方は、防災性・美観性・機能性が一新できる葺き替え工事をご検討してみてはいかがでしょうか。
5. まとめ
今回は瓦についてご説明しました。瓦について少しおわかり頂けたでしょうか?日本いぶし瓦のショールームでは、掲載したもの以外にもたくさんのサンプルを取り揃えておりますので、ぜひ実際にお手にとってご覧下さい!
【住所】
本社:岐阜県岐阜市石谷1205−1(営業時間8:00~18:00)
ショールーム: 岐阜県岐阜市福光東2丁目13−16(営業時間10:00~17:00)